『日本語の起源』2008/09/21 20:07

初ブログです、よろしく。

最近、日本人(日本語)はどこから来たのかが気になり、いろいろと本を読んだりしています。

『日本語の起源 新版』 大野 晋著 岩波新書
を、読み終えまして、いろいろと思いにふけっているところなのですが、今のところ、タミル語起源説は、ちょっと受け入れがたいところですね。
著者の探究心や、研究姿勢には脱帽するものがあるだけに、ちょっと残念な気持ちです。

内容に関しての感想などは、追々書き込めたらと思っていますが、今日のところはご挨拶まで。

また、本の感想云々ばかりではなく、独自の視点からいろいろと考察というか、仮説のようなものを書き込めたらと、考えています。

ちなみに、考古学や言語学に関しては、まったくの素人ですので、的外れなこともあるかと思いますが大目に見てやってください。(素人どころか、理系・工学系で生きてきた者なので・・・。)

日本語 文字を獲得するまでの1万年①2008/09/22 22:15

随分と、勝手なタイトルをつけて見ました。
日本語の起源、成り立ちについては、諸説あるようですが、基本的には縄文時代に形成され、渡来人の影響もありつつも、大きく姿を変えることなく現在に至るであろう、という説からこんなタイトルとしてみました。

考え方の基になっているのは、小泉 保著『縄文語の発見』青土社 です。 個人的には、とても説得力がある内容だと思っているのですが、縄文語として復元し、紹介されている語彙が少なく、具体的にイメージしづらい部分もあります。

また、渡来人もつアクセントの影響を受けて「弥生語」が成立した、というのは良いのですが、渡来人の持つ言語の語彙の影響について触れていないのが不足しているように感じます。

それとは相反して、大野 晋著『日本語の起源 新版』岩波 新書 では、南インドのタミル語が日本語の起源という説で、多くの語彙の対応を示しています。
タミル語起源説は、支持しないのですが、その研究姿勢は、無視できるものではありません。
考古学的な比較も行うなど、言語に限らず幅広く研究しているその姿勢は、尊敬に値すると思っているのですが、タミル語と日本語を結びつける為に、少々強引な説を導き出している感があるのが、とても残念です。

アプローチも違うこの二氏の著書を中心に、時には補完し合いながら、批判も交えて、日本語の起源に迫っていきたいと、思っています。

つづく。

日本語 文字を獲得するまでの1万年① 渡来人の影響(1)2008/09/23 21:12

どこから始めるのか、悩んだのですが、「渡来人」に関するとこから始めてみようと思います。
歴史的順序にこだわると、収拾がつかないようで、気の向くままに進めます。

渡来人が、日本語に対して何らかの影響を及ぼしているという見解は、一致しているようなので、どこような影響があったのかを、考えてみます。

まずは、大まかなところから見てみましょう。
1.渡来人が来たのか、来ていないのか?
  これは、「来た」といってまず間違いが無いようです。
  また、北九州から東へ徐々に広がっていったというのも、間違いないようです。

2.どこから来たのか?
  a.南朝鮮または中国大陸から、北モンゴロイド系の人たち(人類学的な常識!?)
  b.南インドのタミル人たち(大野説)
  以上、二つの説を取り上げてみます。

3.いつ頃来たのか?
  紀元前300年頃?
  あまり細かくは、こだわっていません。
  縄文晩期に来た、また一度だけではなく、何度か来た、という認識です。

4.言語への影響は?
  a.アクセントへの影響が大きく、新たな方言ができた(小泉説『縄文語の発見』より)
  b.渡来人(タミル人)の持ち込んだ言語に入れ替わった(大野説『日本語の起源』より)
 中国大陸などアジア周辺の言語が日本語の起源となっている説もあるようですが、ここでは考えません。

 以上、概略はこのような形なのですが、言語への影響を掘り下げる前に、渡来人の生活環境などについて、想像を交えて考察してみようと思います。