日本語 文字を獲得するまでの1万年①2008/09/22 22:15

随分と、勝手なタイトルをつけて見ました。
日本語の起源、成り立ちについては、諸説あるようですが、基本的には縄文時代に形成され、渡来人の影響もありつつも、大きく姿を変えることなく現在に至るであろう、という説からこんなタイトルとしてみました。

考え方の基になっているのは、小泉 保著『縄文語の発見』青土社 です。 個人的には、とても説得力がある内容だと思っているのですが、縄文語として復元し、紹介されている語彙が少なく、具体的にイメージしづらい部分もあります。

また、渡来人もつアクセントの影響を受けて「弥生語」が成立した、というのは良いのですが、渡来人の持つ言語の語彙の影響について触れていないのが不足しているように感じます。

それとは相反して、大野 晋著『日本語の起源 新版』岩波 新書 では、南インドのタミル語が日本語の起源という説で、多くの語彙の対応を示しています。
タミル語起源説は、支持しないのですが、その研究姿勢は、無視できるものではありません。
考古学的な比較も行うなど、言語に限らず幅広く研究しているその姿勢は、尊敬に値すると思っているのですが、タミル語と日本語を結びつける為に、少々強引な説を導き出している感があるのが、とても残念です。

アプローチも違うこの二氏の著書を中心に、時には補完し合いながら、批判も交えて、日本語の起源に迫っていきたいと、思っています。

つづく。