停電すると「ひかり電話」は使えません2011/03/31 20:58

 計画停電が始まった頃、ちょっとしたニュースにもなったと思うので、ご存知かと思いますが、昔ながらの電話回線とは違い、光ファイバーを使った「ひかり電話」は、停電すると通話が出来ません。
 「ひかり電話」を使用するには、通常の電話機とは別に、「回線終端装置」「ひかり電話ルーター」があり、それぞれ電源が必要です。

 もう五年以上前になりますが、我が家で「ひかり電話」を導入した時、気になったので停電時の事を聞いたことがありました。
 結論としては、「回線終端装置」と「ひかり電話ルーター」の電源が確保できれば”使える”とのことでしたが、交換機側も停電していたら、まず使えないでしょうね。もちろん、自家発電設備があれば別ですが。ありそうな気はしますね。

 先日の震災当日は、携帯電話の通話が困難でした。
 大抵、このような時は、通話規制がかかるので、携帯電話は使えなくなります。
 しかし、そんな中、ひかり電話は、何の問題もなく繋がっていました。
 そんな状況から、携帯電話よりも、ひかり電話の方が頼りになりそうなのですが、停電していたら元も子もありません。

【消費電力を測る】
 どのような形で、電源を確保するのかを考える前に、どれだけの消費電力があるのかを調べなければなりません。
 そこで、数日前から、「エコワット」という簡易電力計を使って、実際の使用電力を計測してみました。
 計測の対象となったのは、以下の三つの機器です。

①回線終端装置
②ひかり電話ルーター
③フォネラ(FONルーター)
 フォネラも動けば、スマートフォンからインターネットにアクセスでき、情報収集の手段が広がります。

 計測結果は以下の通りです。

[使用電力]2.42kwh
[計測時間]100時間


 たまたま、計測開始後100時間でチェックしました。
 ここから、消費電力の平均を導きます。

 2.42kwh / 100時間(h) = 0.0242kw
                      = 24.2[w]


【UPSでバックアップできるか?】
 電源確保の一つの手段として、UPS(無停電電源)があります。
 試しに比較的安価に入手できる、APC社製「BE325-JP」という、UPSで検討してみます。
 APC社のホームページでは、製品ごとの細かな仕様を見ることができます。
 さて、このBE325というUPSで、上記の三つの機器を動作させたらどうでしょうか?
 もちろん、問題となるのは、バッテリーの容量です。
 「ランタイム グラフ」を見ると、横軸に”使用する機器の消費電力”、縦軸に”バッテリーの持続時間(ランタイム)”を示した曲線のグラフになっています。
 もちろん、消費電力が大きいほど、ランタイムは短くなります。

 さて、24.2Wでは、何分もつでしょうか?
 半端なので、25Wで見てみます。
 答えは、42.4分でした。

 ちょっと心もとない数字ですね。
 使用するときだけ電源を入れる、という使い方であれば、そこそこ使えそうな気もしますが、それはあくまでも、こちらから掛ける場合であって、掛かってきた電話には出られません。

【まとめ、というか要再検討】
 まったく実用にならない訳ではないので、これはこれで良しとしましょう。
 しかし、もう少し容量の大きいUPS(値段が高い!)にするか、別の電源を考えた方が良いかもしれません。