『日本人と日本語のルーツを掘り起こす 考古学からDNAまで』①2009/08/02 14:45

 今、『日本人と日本語のルーツを掘り起こす 考古学からDNAまで』(宮崎 嘉夫:文芸社)を読んでいます。

 まさに、このブログの趣旨にぴったりのタイトルですが、中身の方はどうでしょうか。
 まず、著者の宮崎嘉夫氏が、その方面の専門家ではない、というところが面白い。
 amazonの商品説明によると、「1958年慶應義塾大学経済学部卒業。35年間製陶業経営に携る。」となっています。

 なるほど、今、ピンときました。
 縄文土器に関する記述がとても詳細で、しかも、土器の製作方法や、 それによる強度的な指摘など、考古学者とはあきらかに異なる視点で書かれている理由がわかりました。
 製陶業経営・・・ですか、なるほど。

 それはともかく、考古学者でもなく、言語学者でもなく、また人類学者などでもないので、視点が豊富というのか、特定の専門分野に縛られていないとでも言うのか、なかなか斬新なところがあります。

 イメージとしては、各専門家の成果を、空高くから見下ろしている、そんな感じです。

 また、この本のことを、著者自身は「ノート」と呼び、論文などといった改まったものではなく、気づいたこと、分かったことを書き綴ったノートというイメージのようです。

 その為なのか、専門家に受け入れられるような雰囲気の内容ではなく、どちらかというと”アウトロー”なイメージを受けるノートなのですが、個人的には、そこが気に入って読んでいます。