”環境問題”と一言では片付けられない『古代文明と気候大変動』2009/02/06 21:20

以前より気になっていた本がある。
それが、『古代文明と気候大変動 人類の運命を変えた二万年史』(B・フェイガン:河出書房新社)であり、たまたま文庫化されたものが平積みになっているのを見つけて、読むことになった。

手に取った時点では内容について、よく分かってはおらず、ただタイトルに惹かれていただけで、”古代史”の類というイメージでいた。
確かに、古代史ではあるのだが、何か違う、いや、だいぶ違う。

過去の気候変動に対して人類は、どのような行動をとってきたか、というのが話しの流れなのだが、気候変動は過去の話だけではなく、未来の問題でもある。
すると、昨今話題となっている”温暖化”等々、環境問題に関わってくるし、著者自身も、かなり意識していることが伝わってくる。
しかし、現在の環境問題についての言及は、皆無に等しい。
だから、古代史なのである。

読み終えてみて、すっきりとした感想はない。
どちらかというと、もやもやとしたものが残って、あまり気分がいいとはいえない。
捉え方は、人それぞれだと思うが、個人的にはいろいろと考えさせられる本である。
このブログの目的とは逸れてしまうが、古代についていろいろと興味を持ち、調べている上で見つけた本でもあるので、この本を読んで考えさせられた事を、何回かに分けて書き込みたいと思う。

まず、最も印象に残ったのは、第一章の中の「ミシシッピ川の洪水との闘い」という5ページ程の短い話である。
1718年にフランス人入植者が、ニューオーリンズを築くところから始まり、ミシシッピ川の洪水に人々がどう対処してきたのかを、淡々と語っている。
洪水に備え、堤防を築く人々をあざ笑うかのように、更に大きな洪水が襲うという繰り返しから、人類は自然の猛威を全く理解しない滑稽な人々という印象を与える。
近代の話であり、一番身近に感じられる内容であったためか、読んでいて最も恐ろしいと思った部分である。
ニューオーリンズということで、最終的には、2005年8月に襲ったハリケーン「カトリーナ」にまで繋がるのではないかと勘ぐっていたが、本書の執筆が2004年なので、それはなかったが、今ならきっと書き加えるに違いない。

コメント

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