「上代特殊仮名遣い」の疑問2010/09/07 14:31

 「上代特殊仮名遣い」とは、『古事記』『日本書紀』『万葉集』に使われる、現代とは異なる複雑な音韻体系のことです。
 先日読み終えた『日本語の奇跡<アイウエオ>と<いろは>の発明』(山口 謠司:新潮社)では、この「上代特殊仮名遣い」について、興味ある推測が示されていたので、簡単に紹介したいと思います。

【上代特殊仮名遣いとは】
 まず、「上代特殊仮名遣い」とは、なんでしょう。
 『日本語の奇跡』によると、以下のように簡単に述べています。
----- 以下、『日本語の奇跡』より抜粋 -----
 「キ・ヒ・ミ・ケ・ヘ・メ・コ・ソ・ト・ノ・ヨ・ロ・モ」、また「ア行のエ」と「ヤ行のエ」の十四の仮名について、それぞれに二種類(甲類・乙類)の異なった音が存在した・・・
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 これを、母音で見てみると、「i」「e」「o」に、現在の五母音とは異なる発音が存在することになり、この三つの母音を加えて、八つの母音があったと言われています。

【上代特殊仮名遣いが消失した理由】
 八つの母音を持つ万葉時代の音韻体系は、平安時代初期に突如として消失してしまう、といいます。
 その理由として、『日本語の奇跡』の著者、山口氏が推測するのは、『古事記』『日本書紀』『万葉集』を編纂したのが帰化人だったからではないかと。
----- 以下、『日本語の奇跡』より抜粋 -----
 つまり、万葉の時代に生きた日本語ネイティブにとって、「上代特殊仮名遣い」における漢字の書き分けは、実はどうでもいいことであった。しかし、帰化人、特に中国人にとっては、こうした音韻の差は非常に気になることであったのではないか。
 別の言い方をすれば、日本語が日本語として自立するためには、八つの母音を聞き分ける帰化人による表記ではなく、五つの母音で十分な日本人の表記が自立的に行われなければならない。そのために、帰化人の影響を受けなくなると、三つの母音はたちまち消えてしまった。
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 八つの母音は、日本語を文字化する上で、一時的に発生したものであって、元々母音は五つであった、と捉えることができます。
 これは、一つの推測であり、確かなところは分かりません。
 しかし、それなりに説得力があるように思えます。

【神代文字とは】
 ちょっと横道にそれます。
 漢字伝来以前にも日本に文字があったという説がいつくかあるようで、それらの文字の総称を「神代文字」と呼ぶようです。
 その「神代文字」は、後世の偽作であるという理由の一つとして、音韻の問題を取り上げているのが、『日本語の誕生-古代の文字と表記』(沖森 卓也:吉川弘文館)です。
----- 以下、『日本語の誕生』より抜粋 -----
 文字が音を表すものである以上、古代において区別されていた音韻を書き分けているはずである。しかし、イロハ四七音以外に少なくとも十四音が音節として区別されていたという「上代特殊仮名遣い」に合致せず、それらは後世のイロハ四七音(または「ン」を加えて四八音)、もしくは五十音図による50音を書き分けるという域を出ていない。
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 さて、ここでピンと来たのが、先ほどの山口氏の推測です。
 「上代特殊仮名遣い」の発生が、帰化人によるものとするならば、日本に漢字が伝来する前の日本人の発音が、八つの母音であったとは限りません。むしろ、五つの母音で表現できる音韻であったともいえます。
 すると、ここでの沖森氏の偽作との理由は、成立しないかもしれません。

 といっても、誤解しないで下さい。
 決して、「神代文字」を信じている訳ではないのです。
 沖森氏も、上記のほかにも理由をあげていますので、「神代文字」の信憑性が高まるものではありません。 

スマートフォンは、パケ代上限が当たり前?2010/09/11 15:48

 ケイタイを、スマートフォンに替えようか、悩んでいます。
 最近のケイタイは、とても多機能で良いのですが、PDA的な使い方をしたいと思ったら、当然スマートフォンが有利です。
 しかし、気になるのは、パケット代です。
 もちろん、その為に「パケ・ホーダイ ダブル」(docomo)のような、上限金額の決まった割引プランがあるではないか、言われれば、確かにその通りなのですが、その”上限金額を払いたくない”んです。

【Wi-Fi(公衆無線LAN)】
 そこで、多くの人と同じように考えるのが、Wi-Fiです。
 幸い、ASAHI-netでは、月額380円で使えるサービスがあるので、安上がりかとも思うのですが、さてどんなものか。
 当然、アクセスポイント付近でなければ繋がらないので、使える場所は限られてきます。

 仮に、主な通信回線をWi-Fiで行い、FOMA回線による通信を最小限にできたとします。
 さて、最小限ってどれくらいでしょう?

【インターネットの通信量・試算】
 いまいちピンと来ないので、試しにパソコンで通信量を測ってみます。
 正確に測れているのかどうかは、定かではないので、大体の目安としてみて下さい。

・通信内容
 [画面①]My docomo(マイドコモ)ホーム
   (操作)-ログイン・クリック
 [画面②]ID,パスワード入力画面
   (操作)-ID,パスワード入力
 [画面③]ログイン後、ホーム画面
   (操作)-「請求予定金額」欄、「今月のご利用金額」の横、「詳細」をクリック
 [画面④]請求内容のご確認画面

 以上、4つの画面を表示するまでの通信量を、測ってみました。
 特別、広告等で”にぎやか”なページではないと思うので、いまどきのWebサイトとしては、1ページ当たりの通信量は少ない方かもしれません。

・通信量
 
約1.563Mバイト(4画面)
 問題は、これをパケットに換算すると、どうなるか、です。
 1パケットは、128バイトです。
 また、1M(メガ)バイトは、1024K(キロ)バイト。
 1K(キロ)バイトは、1024バイトです。

 1.563Mバイト × 1024 × 1024
 =約1,638,924バイト

 1638924 ÷ 128バイト
=約12,804パケット

 さて、結構な数字が出てきましたよ。
 これを、金額に計算しても良いのですが、それよりも、上限金額に達するパケット数と比較した方が、わかり易い気がします。

・何回で上限到達?
 docomoのホームページ内の、「パケ・ホーダイ ダブルとは(スマートフォン)」を見ると、71,250パケットで、上限の5,985円/月に到達します。

 単純に、上記の数字で割ってみます。
 71,250 ÷ 12,804 ≒ 5.56

 恐ろしいですねぇ。
 先ほどの4つの画面を、ひと月に6回表示するだけで、上限に達成します。
 「最小限=上限金額」という式が成り立つような気がします。

【まとめ】
 自分自身を納得させる為に、ちょっと細かく計算してみましたが、大方の予想通りの結果になりました。

 「上限金額を払いたくなければ、インターネットを1ページも見てはいけない(Wi-Fiを除く)」

 といった気概で挑まないことには、上限金額は必須でしょう。現実的ではありませんねぇ。
 いやはや、なんとも「通信費」のかかるご時世なのでしょうか。

スマートフォンと格闘中2010/09/21 17:14

 前回、スマートフォンのパケット通信料が気になる云々、ということを書きました。
 散々、迷った挙句、購入を決意!
 購入機種は、docomoの「SC-01b」
 そう、いわゆるWindows Phoneというもので、OSは、Windows Mobile 6.5proです。

 巷で主流のスマートフォン(iPhone、Android)などとは、趣が異なり、好き嫌いがはっきりする機種の一つかもしれません。
 購入の動機のひとつは、その購入価格であり、普通のケータイは高くて買えません。
 ケータイショップの価格表示は、決して嘘とは言いませんが、負担が軽く見えるように、うまく考えられています。騙されてはいけません。いえいえ、それに気づかないように出来ているんです。
 それはともかく、「携帯電話」として、このSC-01bを見ると、やはり貧弱といえるでしょう。
 日本の携帯電話は高機能だと言われた時期がありましたが、その理由が良く分かる気がします。

 このSC-01bについても、それ相応の覚悟の上での購入なので、分かってはいたつもりですが、やはり使ってみないと気づかない事もあります。
 そんな事を、簡単にまとめてみます。

【簡易留守番電話機能が無い】
 これは盲点でした。今日になって、気づきました。
 いわゆる「普通のケータイ」では、当たり前のように搭載されている、携帯自身に録音する留守番電話機能が無いんです。
 有料の「留守番電話サービス」を使うのが仕様です。
 アプリケーションの追加で出来そうな気もするのですが、今のところ、それらしい物は発見できず・・・。

【iモードが使えない】
 これは、もちろん承知の上です。
 しかし、思っていたよりも、iモードに依存する生活をしていた事に、日々気づかされています。
①ネットバンキングが出来ない
 PCサイトで出来そうですが、とりあえず、ブラウザ(opera)が拒否されログインできず。IEなら可能かな?
 iアプリの「iアプリバンキング」は、なかなかのモノ。
②日々の通話・通信量の把握がし難い
 iアプリの「ドコモ料金案内」は、日々の使用量を記録するので、便利でしたねぇ。
③iモードサイトは軽くてお手軽
 パケット代を気にせず、ちょこっと見られるサイトは、やっぱり便利ですねぇ。

【アラーム機能が貧弱】
 3つの時刻が設定でき、それぞれ曜日の指定などもできるので、なかなか使えると思いきや、スヌーズが無い(に等しい)。
 アラームが鳴った後、例えば5分後にもう一度鳴らす事はできるのですが、鳴った直後にその操作が必要になるので、寝起きには、ちょっと無理、というか、それが出来るくらいなら、目覚めています。
 というわけで、これは「アラーム」であって、「目覚まし」では無いんです。

 「目覚まし」アプリを物色中ですが、とりあえず”無料”で良さそうなものは見つかりませんねぇ。

【おサイフケータイ】
 これも、もちろん承知の上ですが、やっぱりあると便利だなぁと。

 他にも、何かあったような気がするのですが、ちょっと思い出せないので、大した事ではないのでしょう。

 なんだか、良く分からない”後ろ向きなレビュー”になってしまいましたが、決して後悔している訳ではないのです。
 SC-01bでなければ、出来ないであろう事もたくさんあるので、とても気に入ってはいるのです。
 ただ、今までケータイで当たり前のように出来た事が、出来なくなったので、まだ気持ちの整理が付かず、”なごりおしい”だけなんですけどね。
 また、このSC-01bですが、誰にでもオススメできる代物ではありませんね。もちろん、承知の上ですが・・・。

おまけ
【SIM無しケータイ】
 前のケータイも、一応持ち歩いています。
 もちろん、SIM(FOMAカード)は、入っていません。
 ただ、このケータイの「おサイフケータイ」のEdyに、それなりの残高があるので、勿体無いですからね。
 で、やっと今日確認したのは、
 「SIM無しでは、おサイフケータイは使えない」
 です。
 予想通りだったので、普通の店舗レジでは試さず、自販機にて確認してよかった・・・。